1994~1995年にかけて講談社漫画文庫から出版された全3巻
大判サイズのやつも出てるみたいですが
これは三國志ではなく主にそれより前、紀元前の春秋時代に活躍した中国の偉人たちの話になります
むかしむかし中国で!のように何処かで訊いたことあるんだけど名前はあやふやな偉人とか(笑)
勿論、始皇帝や孫子、孔子、墨氏などの有名どころも載ってます
鄭問さんもそれを広めたくて日本で出版した最初のコミックがこれにあたるようです
中国っていうか…アジアの偉人の話って極端なの多いよな~(笑)
1巻は後の秦始皇帝、瀛政(エイセイ)の凛々しい姿が表紙
画像1
名を貪った男
(要離)
俺の舌はまだあるか?
(張儀)
天下無双
(信陵君無忌)
三百野人
(秦の穆公)
萬世指表
(孔子)
春秋一覇
(斉の桓公)
仙女下凡
(西施)
恨呑天下
(秦の始皇帝)
気性の激しさと、恨みと不信の子供時代が、天下を呑み干す基盤となった、秦の始皇帝
天女のような並外れた美しさゆえに、犠牲の人生を強いられ、翻弄された西施
門番の老人にも教えを請い、隣国の人望をも集め、天下に比類なしとまで名を轟かせた無忌
才覚で、のし上がり世を動かした者、才能を疎まれせめぎあう策略に利用された者
中国の春秋戦国時代に燃焼するように生きた英雄たちの話全8篇
孔子、西施、始皇帝と有名どころの話も集録された1巻
日本の民話や昔話には中国の話がこちらで変化したものもありますからね
三百野人や西施の話なんかはあるある昔話だろうから
2巻
私通外國とひたいに書かれた孫ピンが表紙
画像2
崔杼弑君
[斉国の大史]
中国兵聖
[孫子(孫武)]
窮刺客
[金且麑]
刎頸の交わり
[藺相如と廉パ]
萬箭穿心
[孫ピンとホウゲン]
龍哭千里
[介子推]
壮絶三勇士
[隰候重・華周・杞梁]
黄泉相見
[頴考叔]
武田信玄やナポレオンにも大きな影響を与えた稀代の兵法家 孫子
屈辱的な要求に屈せず知勇で国を守った藺相如
彼と共に死んでも悔いぬ交友を誓う廉パ
筥国攻略の先陣として、3人でせめこんでいった少年勇士、彼らの求めたものは尊厳と名を残すことだけだった…
春秋時代を生き、歴史を作った者
それを伝え残してきた者、信じる道、目的と理想のために生命にかけた人々の話
現代でもビジネス書として読まれる孫子の兵法の孫武、さらにその孫、孫ピンが登場!
介子推の話は色々なパターンが伝わってますね
晋の国主、恵公夷吾が秦に大戦で破れ捕虜になり釈放されるのだけど
その間を繋いでいた晋の彼の兄 重耳に国主の座を奪われまいと刺客は放ち、重耳は逃げるように流浪の旅に
結果、食べ物が何も無く昏倒してしまう
それをみた随臣 介子推は自分の太ももの肉を削いで公子に与えたって話
これ話の終わり方が色々で
これは結果、秦に頼り、弟を攻め晋の国主に付いた重耳は介子推への恩を忘れてしまい、介子推は母親と山に隠居する事にするんだけど…
介子推に何も恩返ししていなかったと気づいた重耳は彼を探し山に探しに行くのだけど中々見つからない、
そこで一本逃げ道を作り山に火をかければ出てくるのではと、山火事を起こす
しかし、介子推は出てこず、重耳が山狩りをすると母親をかばいながら枯れ木の中で介子推は焼け死んでいたという
そして重耳は自らの過ちを悔むという話
もう1つの終わり方が太ももの肉を与えた褒美に介子推は将軍になるんだけど、母親が公子にその御礼の挨拶をした時、しきりに涙を流しているだけって話で
昇進した祝い事に何故、泣いている?と聞くと母親は
空腹で太ももの肉を削って公子を助けたとなれば、戦場に出た時は公子のために命をも投げ出す覚悟なのでしょう、息子が戦死するのは確実だからでございます
と、ここでおしまいの話もあるんだよな~
鄭問さんの描いた話が史実なんだろうけどね
史実といえば…感慨深いのが崔杼弑君だ
無名の史官の話、竹簡に記録を残す官役の話
歴史は往々にして記される時に都合のいいように既に改竄されてしまっている事だ(笑)
3巻
處女が表紙!
画像3
糞尿将軍
[斐豹]
愛国詩人
[屈原]
貪財将軍
[王翦]
意志なき君主
[衛の懿公]
美しき棘の花
[處女]
痛哭七夜
[申包胥]
工匠思想家
[墨子]
放言の神箭手
[養ヨウ基]
政治的迫害や生活苦にも負けぬ愛国心で多くの名詩を書き残した屈原
君主の心意を知り抜いた戦術・戦略で、秦国の天下統一の中、最大の功績を収めた王翦
越王への恋心に揺れながら三千人の荊棘兵を育て上げた女 處女
旧来の価値観や因習がすべて葬り去られた春秋戦国時代に自分の信念を貫き通し歴史を作り上げてきた英雄たちの話
三國志や項羽と劉封なんかの作品は沢山出てるんですけどね、春秋時代となると封神演義が大半だから
春秋時代の作品として色々な人のこと読めるのは嬉しい