ロメロ監督のゾンビ映画は沢山ありますが、一作一作ひとつの作品として話的には切れていて、ロメロ監督自身が自分のゾンビ作品の続編的なものを製作したのはこれが最初
違う監督がやった続編擬きやリメイクなんかはあるんですけどね
前作ダイアリーオブザデッドも第1作のナイトオブザリビングデッドの自ら現代風にリメイク的作品と言えなくもないかなとは思いますが…
今作は普通のゾンビ作品なんですが、何故か西部劇風に様変わり(笑)
前作で学生たちから物資を略奪した州兵サージが主人公
前作から1週間後の設定で物語は始まります
ストーリー
ある年の10月、突如として死者が蘇り、人々を襲い始めたというニュースが駆け巡った(ダイアリーオブザデッド)
…それから4週間がたち、世界はまさに地獄と化していた
元州兵のサージも秩序を失い崩壊した軍隊を離れ、強盗を繰り返しながら安全な場所を探し求めていた
そんな自分と世界に嫌気がさしていたサージに信じられない情報が舞い込んでくる
デラウェア沖に安全な島があるという
サージは疑いつつも、どこにも希望を見出だせない今、わずかな望みをかけてその島へ向かうことにする…
冒頭はダイアリーオブザデッドより1週間後から始まります
軍の統制が崩れ嫌気がさしたサージたち
更には学生から物資強奪した動画(ダイアリーオブザデッドより)が配信され全世界に悪名を轟かせてしまう
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彼らは軍を脱走し強盗をはたらきながら移動する生活をはじめます
ちょうどその頃デラウェア沖にある島 ブラム島では長年島の覇権をめぐりいがみあう2つの家系オフリン家とマルドゥーン家がゾンビを生かしておくか、始末するかで対立をしていた
マルドゥーン家のパトリックがゾンビを始末して回っていたが、そのなかで自分のゾンビ化した子供をかくまった島民を殺害してしまい抗争に負け島を去ることになる
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それから3週間
軍を抜けたサージたちは相変わらずの暮らし
そんな中キャンプする集団を見つけ襲い物資を襲い、そこで1人の青年に出会う
青年はネット動画でみた安全な島の呼び掛けをサージたちに見せ見つけた現金輸送車に乗り港に向かう
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この時登場する頭部だけのゾンビの串刺しですが
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これロメロ監督がストーリーテラーになり、所々の監督の作品集めたショートフィルムのオムニバスでブックオブザデッドって作品があってそれのバリーオブザシャドウって作品で登場するんですよね
ロメロ監督その時この監督の生首の見せ方に偉く感嘆していて…そのままパクった可能性が(笑)
港に着いた彼らを待っていたのはパトリック派の島を追放された人間たち
パトリックたちもまたそうやって人を集め時にはサージたちのように強奪したり、自分たちの仲間にしマルドゥーン家を倒す尖兵として島に送ったりしていたのだった
船に乗るためには有り金全てという要求にサージたちは側にあるフェリーで勝手に島にいくことを選択
パトリックたちと銃撃戦に
とはいえそこは元州兵パトリック派を彼以外全て倒しフェリーを航行
ギリギリフェリーに潜りこんだパトリックと共に島に向かうフェリー
ここで登場する消火器を口に突っ込まれ破裂し目が飛び出るゾンビや照明弾で顔か燃えるゾンビ、ランドオブザデッドに登場する知恵がついたゾンビのように車のエンジンをかけるゾンビと色々なアイデアが盛り込まれたゾンビの行動が面白い
島に着いたサージたちはいきなり何者かに銃撃され仲間が亡くなってしまう
パトリックにどういうことかと詰めよりとそこに馬に乗ったパトリックの娘ジェーンのゾンビがあらわれ一行のまえを走り去る
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冷静にあたりを見回すと死体だらけ
全てマルドゥーンの仕業と話すパトリックに事情を理解し協力しようとするサージたち
一方、マルドゥーン家ではゾンビを生かしておくために家畜を食べるか実験するも上手くいかずに馬に乗って走りまわるゾンビ、ジェーンを実験に使うために捕まえようと画策
さらにサージたちの仲間の女兵士が捕まり捕虜に
パトリックとの集合場所の集会場に着いたサージたちは馬に乗ったゾンビと同じ容姿をしたパトリックの双子の娘ジャネットに出会う
パトリックの娘より島の本当の事情を知ったサージたち
マルドゥーンと女兵士が食事しながら話てるシーンで流れるのが死後写真
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これは昔イギリスでほんとに死体をドレスアップして生きているように撮影していた文化
キリストの復活にかけた風習だったのだと思いますが、マルドゥーンのゾンビを守るべきという考え方はここからきたものかと
パトリックはマルドゥーンとの決着のため、サージは女兵士救出のためマルドゥーンとの最終決戦へと向かう
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主人公サージを演じたアランはダイアリーオブザデッドはもちろん、近未来を描いた新世紀ロメロゾンビ三部作のランドオブザデッドにも別役で出演していて皆勤賞
ロメロ監督本当は今までの作品からちょっとずつ摘まんでスティーブンキングが作り上げた架空の街、キャッスルロックみたいな形で各作品を繋げるような作品に今作を製作したかったみたいなんですけどね~
著作権の関係でそれが出来なかったと…
故に、結果出来上がったものはロメロ版 大いなる西部になったと(笑)
実現していたらかなり面白そうな作品になっていたかな~と思うと残念
もうロメロゾンビの新作は観れないわけだし…
ゾンビの撃退法や小屋に閉じ込めたゾンビにダイナマイトを手渡すコメディちっくな演出なんかもあり笑える場面もあるものの…
ロメロさん本人がインタビューで今作はつまらないよ!と言ってしまってるので…(笑)
完全なCGは嫌で特撮とCGを融合させていると語っていて、そこは特撮好きには嬉しいし、融合は非常に上手く行われていると思う
それと第1作のナイトオブザリビングデッド時はゾンビの定義など考えないで製作してしまったらしいのだけど、ロメロゾンビは人間以外も食べるただし動物は警戒心が強く動きの遅いゾンビでは捕まえられないということらしい、今作では馬を食べるゾンビたちを撮影している
現代なのに不思議な西部劇風にしてしまって若い人は意味解らず面白くないかも知れないのは残念だとも言っていて(笑)
たしかに最終局面なんかは完全に昔の西部劇仕立てになってしまっていてパニックものとしてのゾンビ作品とは一線を画しているかも
たしか、B級作品にシャロンストーンとディカプリオがやった同じく西部劇作品のクイック&デッドをかけたクイック&アンデッドって作品があったと思うけど…どんななんだろう(笑)